クレジットカードのスキミングを見破る方法

ネット通販ではデビットカード利用を控えましょう

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FBIでサイバー捜査官として約30年従事してきた私たちのアドバイザリーメンバーである Scott E. Augenbaum 氏は、「ネット通販が活発になる年末年始は、サイバー犯罪者にとって最も書き入れ時です。決済手段としてクレジットカードを利用することを強くお勧めします。デビットカードは大手ネット通販以外では利用は控えてください」と呼び掛けています。

クレジットカードもデビットカードもVISAなど国際決済ブランドが付き、どちらも同じように決済に利用できますが、犯罪被害にあった際の対応が異なるため注意が必要です。

デビットカードは、銀行口座から即座に引き落としがなされます。もし通販サイトのセキュリティ上の不具合により、情報漏洩しこのデビットカード口座情報が悪意ある者の手に流出してしまった場合、悪意ある者はあなたの銀行口座から可能な限りお金を引き出してしまうことができるようになります。銀行による決済手段のひとつとして提供されているデビットカードは、カードの相談窓口に盗難の連絡をしても手厚いサービスは残念ながらあまり期待できません。

クレジットカードは、利用すると即座に利用明細をオンラインで参照することができます。身に覚えがない不正利用された決済に関し、クレジットカード会社へ「不正利用によるチャージバック」を要請することで支払わずに済みます。クレジットカード会社から悪意ある者への支払いは留保され、犯罪者への犯罪動機を削ぐ効果もあります。

このため Scott E. Augenbaum 氏は、毎年この時期に「オンライン決済では可能な限りデビットカードを利用しないで」と呼び掛けています。

このチャージバックは、オンライン取引だけでなく、店舗での支払いにおいても有効に活用できます。私の実体験では、店員がカード利用明細の印刷に失敗し、明細を印刷しようと2回の決済をしているのを目撃してしまったのです。このような場合では、最初の決済に取消処理をしないといけないのですが、それを知らなかったようです。案の定、私は同じ店舗で同じ金額の決済が2つあるのを明細で確認し、クレジットカード会社へチャージバックを要請し支払わずに済みました。

クレジットカードもデビットカードも、どちらも便利な決済方法です。うまく使い分けていきたいですね。

2023/12/19 坂本光正

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