米連邦議会公聴会で政府のカスペルスキー製品使用についての追及

2008年には、ロシアのセキュリティ製品業、カスペルスキー社の製品が米国の政府で使用されていることが明るみになりました。しかし、カスペルスキー・ラブズとロシア政府との関係の懸念が高まる中、アメリカ合衆国連邦議会は、カスペルスキーの政府機器への使用を阻止するための大きな措置を講じています。

2017年5月、フロリダ州上院議員のマルコ・ルビオ氏は、上院の情報委員会でカスペルスキー社の製品を今後使用する可能性があるかについて質問を行いました。返答は「圧倒的にノー」であり、使用する可能性は全くないことが示されました。


5月以来、米国政府は、米軍がカスペルスキー社の全てのセキュリティ製品を使用することを防止する法案を作成するために尽力してきました。現在、下院と上院軍事委員会の両方で、軍事用機器に対するカスペルスキー製品の使用を禁止する法案が提出されていますが、それはまだ法律として可決されていません。

この法律が可決されれば、ロシアの情報技術・通信省の大臣は、米国のソフトウェアおよびハードウェア企業に対して、その事業が悪影響を受ける可能性があると述べ、米国企業は脅威にさらされています。カスペルスキー社のCEO、ユージン・カスパースキー氏は、カスペルスキーがロシア政府に縛られていないという公式声明を声高に出したことはありません。しかし、国防総省がカスペルスキー社の製品を全面的に採用しないとした場合、カスペルスキーが米国で得る利益よりも、ロシアにおける米国の情報通信産業は、大きな影響を受けることになるでしょう。

ユージン・カスペルスキー氏は、米国政府機関との関係を維持するため、カスペルスキー社のソースコードを公開することを提案しました。彼はまた、米国のセキュリティ研究の一部を米国に移すことを提案しています。米国のビジネスを失い始めたカスペルスキー社の経営を考えると、これらの試みはあまり驚くべきことではありません。米国政府がカスペルスキーの使用を全面的に禁止すると、米国および同盟国における民間企業にも波及していく可能性があります。これは、売上高の約60%が米国からのものであることを考えると、カスペルスキー社の売上は大幅に落ち込むことにつながります。

この懸念事項は本当なのか。

米政府当局者は、ロシア政府、その諜報機関(FSB)とカスペルスキー社の関係は親密であると考えていることは明らかです。国防総省がカスペルスキーをセキュリティソリューションプロバイダーとして米国から撤退させた場合、ロシアの政府関係者が報復を脅かすことで、さらに疑念が深まりました。いち民間企業への対応として通常ではないからです。また、カスペルスキーの従業員、Ruslan Stoyanovは、国家の機密情報を漏洩した罪で国家反逆罪に問われ、昨年末に逮捕されました。同氏は、FSBの元職員でした、カスペルスキー社は、同社が雇用関係を結ぶ前に発生した問題に起因していると主張しています。最後に、ユージン・カスペルスキーはソルビエト軍に従事し、その後、KGBに所属してたことは有名です。ロシアの米国大使が以下のようなコメントを述べていますが、これは驚くべきことではないかもしれません:

「ロシアでは一度、諜報機関に所属したの​であれば、決して去ることはない」

ロシア政府との関係が存在しないことを証明しようとしているのにも関わらず、カスペルスキーに対し状況証拠はさらに疑念が深まる方向に積み重なっているようです。

原文:http://techtalk.pcpitstop.com/2017/07/11/congress-goodbye-kaspersky-labs/

追加情報:ブルームバーグ「Kaspersky Lab Has Been Working With Russian Intelligence」