カスペルスキー、Windows defenderを独占禁止法で訴え

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露カスペルスキーは、マイクロソフトがWindows 10にディープラーニング技術を用いた高いウイルス検知能力をもつWindows defenderを標準実装したことに関し、ロシアの連邦反独占庁、欧州委員会(EC)とドイツ連邦カルテル庁にに抵触する疑いがあるとして訴えを起こしました。

Windows 10に標準搭載されているWindows defenderは、その名称は変更になっていないものの Creators updateにて世界中のWindows 10利用者のアプリケーション情報を基に、マイクロソフトの有する巨大なクラウド基盤上に構築した、ディープラーニング技術を用いた167もの分析ロジックを用いて、未知のウイルスを強力に検知・防御できる世界有数の強力なものに変わりました。まったく新しい別製品なのです。

発見されたウイルスの96%が一度しか世界中で利用されず、残り4%のみが再感染や複数台に感染している現実から、ブラックリスト方式によるセキュリティ対策やヒューリスティック分析では限界があることが既にセキュリティ関係者の間で知られています。カスペルスキー社はもとより大半のセキュリティベンダーは、従来の技術をベースに改良をしているだけで、パソコン端末上でウイルス判定を行う仕組みであるため、資金力豊富な組織によって解析されやすく、新たなウイルスに裏をかかれてしまいます。過去から積み上げてきたものを自ら打ち破ることは、経営者の大きな判断がない限り難しいことは誰もが良く知っていることです。

このような背景から、膨大な資金力をもつマイクロソフトがディープラーニング技術を用いた、より優れた次世代型エンドポイントセキュリティをWindows 10に標準実装したことにより、マイクロソフトはビジネスにおける信頼を取り戻そうとしている代わりに、既存技術の延長線上にある多くのセキュリティベンダーは、時代の波に取り残されビジネス縮小への脅威を感じています。

PC Maticは、マイクロソフトより数年早くクラウド基盤上に構築したビッグデータモデルでセキュリティ対策を行っています。96%が未知のウイルスとして出回っている現状において、事前監査によって善良であると判断されたアプリケーションのみ起動を許可するグローバルホワイトリストという新方式を採用し、国家諜報機関や国際的な犯罪組織によって高度に生成された未知のウイルスによる脅威を高い確率で防いでいます。第三者評価機関で95%という他社を引き離す検知能力を記録しています。

アプリケーションの事前監査アルゴリズムは、世界中の最新の2億台分パソコンに導入されているアプリケーション情報(ビッグデータ)を用いて、約30のディープラーニング技術を用いたアルゴリズムで分析を行っています。利用者環境をエミュレーションする複数の最新型サンドボックスを装備し、高い確率でAPT攻撃を検知することに成功しています。

PC MaticはWannaCryなどワーム型ウイルスに関してもグローバルホワイトリスト方式とは別に実装している不正侵入通信ロジックで防御に成功し、1台もの感染パソコンをだしませんでした。

過去、WindowsにInternet Explorerが標準搭載されていることが独占禁止法で欧州委員会に申し立てられたことがありました。しかし、現在ブラウザで高シェアを有しているのはGoogle Chromeです。お客様に受け入れられやすいよう、更に防御能力に優れた製品を市場へ迅速に投入し、手厚いサポートを行うという顧客重視の戦略を取れば、マイクロソフトによるこのような囲い込みに関しは気にすることないのではないでしょうか。

ソース元:カスペルスキー、マイクロソフトに競争法違反の疑いで欧州委に申し立て
Windows defenderに関する記事:http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1058556.html

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