安いには理由があるハード・ソフト

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ネット通販で海外のハードウェアを安価に購入できるようになりました。日本のECサイトでも海外企業がモールという形で様々なユニークな商品を発売しています。一見便利になった世の中ですが、そのハードウェア・ソフトウェアの中に、情報を盗み出しそれを転売することで利益を得ることで、安価に発売しているものがあったら、どう思われますか?

PC Maticマルウェア分析官は、お客様が情報流失の危険にあわないよう、ハードウェアに付属するアプリケーションやドライバーに、不審な外部通信を行うものがないか、アプリケーションを仮想環境で起動してみるだけでなく、ソースコード中に悪意あるコードが含まれていないか、コードスキャニングという技術を用いて調べています。

驚くべきことに、A3サイズなど大きめな書類をPDF化してくれるスキャナーのWindowsドライバーに、そのスキャンした文書を外部送信するものを発見しています。こうしたものを収集し、どんな意味があるのかと思われるかもしれませんが、ある国では情報機関が「どんな情報でも収集対象国のものであれば購入する」という仕組みを設けている場合があります。

3Dプリンタ、小型のNC工作機の制御ソフトからも生成データを外部送信するものがあることを確認しています。目的は不明ですが、これらは政府機関への売却ではなく、こうしたデータを欲しがると思われる企業へアーカイブとして提供・販売しているのかもしれません。

世界には、様々な国があり固有の文化を形成しています。多様性があることで豊かな国際社会が形成されるのですが、自分たちの価値観を当てはめてものごとを決めつけて考えてはいけないことを決して忘れてはいけません。海外旅行をする度に、日本は安心安全が担保されている素晴らしい国だと実感させられますが、海外製品を購入する際は、なぜ一般製品より圧倒的に安価で提供できるのかをいまいちど熟慮してみる必要があります。

例えば日本の平均賃金は中国より安価になってしまいました。Made in Chinaが安価であるというのは過去の話です。中国の製品を分解してみると日本企業では思いつかないような製造方法で安価にしあげる努力をみかけることがありますが、部品代よりも安価に販売されている商品があることが、普通ではないことに気がついてください。

日本製ドキュメントスキャナーや監視カメラは決して高額ではありません。製品を購入する際には、十分に注意してください。ノウハウやプライバシーが漏洩してからでは遅いのです。

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